電車の中で
<行き>
中央駅前から一緒に乗って来て、私の向かい側の席に座ったおば様二人。
まず一人が「喜入から来たのよ。そっちは何処にすんでるの?」と聞いた。
もう一人が「市内よ」、
「市内は何処?」
「言わない、言ってもわからないでしょう。分かれば教えてもいいけどさ」・・
喜入の人「喜入も、今は市内になったんだけどねえ・・・・・」
この二人乗車の直前、電車を待ってる間に袖触れ合ったのでしょうね。
その後20分位のうちにこの市内の人のことは随分分かりました。
帽子もセーターもケープも全部手編みの物です。スカートも手作りで着る服は買ったことはないって。
料理も惣菜なんか買ったことなくて、週に1、2回朝市に買出しに来る。
今買ってきた豚肉を取り出して「ほら、こんなに安いのに美味しそうでしょう」ってうっとり。
ホタテのグラタンの作り方も伝授、「美味しいよー!孫もだーい好きなの」六人暮らしだそうです。
それからこの前気づいたいい事、「ブロッコリーの芯を千切りにして、牛肉と炒めたらどーんなに美味しーいことか!芯は捨ててはダメ絶対ダメよ。今、は何と言ってもシャケ、シャケが美味しいのよ。納屋通りに今度魚屋が出来て、それが安いのよ、シャケ半身が300円よ!デパートでこの前1000円だったのに300円!」
喜入の人はニコニコ頷きながら聞いて一言位は言ってましたっけ。先に下車されました。
私も降りましたのでここまで。
<帰り>
買い物をして荷物も重いので、降りるとき楽するように運転席の後ろの席に座っていた。
高見馬場を過ぎたあたりで、後ろから前に進んできた女性が運転席を覗いて、
運転手に聞いた。「〇〇眼科に行くのには何処で降りたらいいですか?」
へぇー、そんなこと運転手さんに聞いてもいいのか?と
あまりに突然に漠然とした質問ではありませんか!
すると運転手さん「えー、何の近くとか聞かれましたか?」と言った。
女性は不安そうに「いやー〇〇眼科としか聞いていない」って言った。
「う~ん」と運転手。
「あ~、なんか高見橋とか・・」女性。
「あ、はい、わかりました。高見橋で降りて左手少し引き返したところです」
「あそうですか、どうも、ありがとうございました」と無事降りて行かれました。
そんなこんなだから、電車の中では一人で笑いをこらえるのに必死なのです。
微妙なおかしさがうまく伝わったかかなあ。